※この記事の内容は2026年11月2日時点のものです。画面や機能は変更される場合があります。
Microsoft 365のWordには、文書の作成や修正を指示できるCopilotが組み込まれています。この記事では、WordでCopilotを起動する手順と、約4,800字の会議メモから社内報告書を作成して変更履歴で修正するまでの流れを、実際の画面をご覧いただきながら解説します。あわせて、WordのコメントでCopilotに修正を指示する方法と、本文の一部を選択して、その部分だけをCopilotで修正する方法も紹介します。
WordのCopilotとは
WordのCopilotは、Wordに組み込まれたMicrosoftのAI機能です。Microsoftの公式情報では、主に次のような使い方が紹介されています。
- 文書の内容を作成・調整・要約・再構成する
- 選択した文章を書き換える
- 修正の内容をWordの変更履歴として記録する
- 本文に付いたコメントの作成・閲覧・返信を行う
- 目次、ヘッダー・フッター、余白などを管理する
Copilotを利用するには、対応するプランやライセンスが必要です。個人向けのMicrosoft 365 Personal・Family・Premiumのプランや、法人向けのMicrosoft 365 Copilotのライセンスなどで利用でき、プランによって使える機能が異なります。変更履歴とコメントの機能について、Microsoftの発表ではMicrosoft 365 Copilotを利用しているWindows版とMac版のWordが対象とされています。今回は、Mac版のWord(Microsoft 365)で、Copilotの画面の下に「M365 Copilot (Premium)」と表示されるアカウントを使って操作しました。
WordでCopilotを起動する手順
画面右下のアイコンからCopilotを起動する
文書を開くと、画面の右下にCopilotのアイコンが表示されます。

アイコンをクリックすると、画面の右側にCopilotの画面が開きます。

入力欄の上に表示されている「編集を許可する」をクリックすると、「編集を許可する」と「チャットのみ」を切り替えられます。「編集を許可する」を選ぶとCopilotが文書を直接編集し、「チャットのみ」を選択すると本文は編集されずチャットでの回答だけが表示されます。

Copilotのアイコンが表示されないときの確認点
Copilotのアイコンが表示されない場合は、次の点を確認しましょう。Microsoftの公式サポートでは、契約しているプランに含まれていない場合や、組織の設定によって利用できない場合があると案内されています。
- Wordにサインインしているアカウントのプランやライセンス(Copilotを利用できる契約であること)
- 会社のアカウントの場合は、組織の設定(Copilotの利用が制限されていないこと)
- Wordのバージョン(最新の状態に更新されていること)
会議メモから報告書を作成する
今回使った素材
今回は、「ChatGPT for Wordの使い方|公式アドインの導入手順と会議メモから報告書を作成」「Claude for Wordの使い方|アドインの導入手順 会議メモから報告書を作成→変更履歴から修正」と同じ素材を使いました。架空の会社の「10月 月次営業会議」の議事メモ(約4,800字)と、社内報告書のひな形です。

報告書のひな形には、件名・報告日・報告者・宛先の表と、「1. 報告の概要」から「6. 確認が必要な事項」までの6つの見出しを入れています。表には「(YYYY年MM月DD日)」「(部署名・氏名)」のような記入例を入れ、見出しの下には「(会議の目的と、報告の要点を3行程度で記載する)」のような説明をグレーの文字で入れています。

会議メモには、次の4つの誤った内容を紛れさせています。
- 9月の売上金額の合計(5,120万円)が、地域別・商品別の内訳の合計(4,840万円)と一致しない
- 展示会の出展日が、議事メモの2か所で異なる(11月12日・13日と、11月19日・20日)
- 次回の会議の日付と曜日が一致しない(2026年11月4日は水曜日だが「火曜日」と記載)
- 取引先名と商品名の表記ゆれ(「株式会社ベータ産業」「(株)ベータ産業」「ベータ産業株式会社」、「研修パック」「研修パッケージ」)
会議メモのファイルを添付してプロンプトを入力する
報告書のひな形を開いた状態で、Copilotの入力欄の左にある「+」をクリックし、「画像とファイルのアップロード」を選んで会議メモのファイルを選択します。OneDriveなどに保存してあるファイルは「クラウド ファイルを添付」から選択します。

ファイルをアップロードすると、「デバイスからアップロードすると、OneDrive 職場/学校 にコピーが送信されます。」と表示されます。添付したファイルが入力欄の上に表示されたことを確認し、以下のプロンプトを入力して送信します。
この会議メモをもとに、ひな形の見出しに沿って社内向けの報告書を作成してください。数値と日付は会議メモのとおりに記載してください。最後に、会議メモの中で矛盾している点や確認が必要な点があれば指摘してください。

作成中の画面
プロンプトを送信すると、Copilotの画面に作業の計画と工程が表示され、文書に内容が順に書き込まれていきます。

完成した報告書
プロンプトの送信から約1分半で完成しました。Copilotの画面には作成内容の説明が表示され、文書の下部には「完了」「元に戻す」のボタンと編集箇所の件数が表示されます。編集された箇所は薄い青の背景で表示され、「完了」をクリックすると通常の表示に戻ります。

報告書は全5ページ・約4,400字で、地域別・商品別の売上金額、主な受注案件、今後の対応は表にまとめられていました。数値は、会議メモと報告書ですべて一致していました。計算によって追加された280万円と4,840万円、1,150万円は、「6. 確認が必要な事項」に記載された差額や合計です。
ひな形のグレーの文字になっていた箇所は、すべて黒の文字に置き換えられていました。

報告書の冒頭の表では、件名の欄に「10月 月次営業会議:9月実績および下期重点施策の報告」と記入されていました。報告日は「[報告日を記入](会議開催日:2026年10月6日)」、報告者は「[部署名・氏名を記入](会議記録:営業企画 森)」と記載され、Copilotの画面には「報告日・報告者は未記入欄として残しています。」と表示されました。報告日と報告者は、完成後に人の手で記入しましょう。
会議メモの誤りの指摘
報告書の最後の「6. 確認が必要な事項」には、「矛盾・不整合」として5項目、「未確定事項・追加確認」として7項目が記載されていました。

会議メモに紛れさせておいた4つの誤った内容のうち、売上金額の合計の不一致(280万円の差)、展示会の日程の不一致、次回の会議の曜日の誤り、取引先名の表記ゆれが指摘されていました。ただし、商品名の「研修パック」と「研修パッケージ」は指摘されず、報告書の本文では「研修パック」に統一して記載されていました。
それとは別に、受注金額と9月の売上金額の基準の違いや、上期の計画との差額1,150万円の下期の計画での扱いなども、確認が必要な事項として記載されていました。
変更履歴で報告書を修正する
「変更した箇所がわかるように」と指示した場合の表示
続けて以下のプロンプトを入力し、「5. 今後の対応」を修正しました。この時点の「5. 今後の対応」は、対応内容・担当・期限の表になっています。
報告書の「今後の対応」を、担当者と期限がわかる箇条書きに修正してください。変更した箇所がわかるようにしてください。
約40秒で、表は16項目の箇条書きに修正されました。変更した箇所は黄色のマーカーで表示され、Copilotの画面には「変更箇所は黄色で強調し、他の箇所は変更していません。」と表示されました。

このプロンプトでは、修正の内容はWordの変更履歴に記録されませんでした。ChatGPT for Wordの記事で同じプロンプトを入力したときと同じ表示で、Copilotが自分で変更履歴をオンにしたClaude for Wordの記事とは異なる結果です。
「変更履歴をオンにして」と指示した場合の表示
Wordの「元に戻す」(⌘+Z)を1回押すと、箇条書きが取り消されて修正前の表に戻りました。そのうえで、プロンプトに変更履歴の指示を入れて送信しました。
変更履歴をオンにして、報告書の「今後の対応」を、担当者と期限がわかる箇条書きに修正してください。
約40秒で修正が完了し、Wordの画面右上の表示が「編集」から「レビュー」に変わりました。追加された箇条書きは赤の下線で表示され、右の余白に変更の内容が表示されます。Copilotの画面には、「表の削除と箇条書きの追加を変更履歴に記録し、変更履歴はオンのままです。」と表示されました。

Copilotの修正を後から確認したい場合は、プロンプトに「変更履歴をオンにして」と入れましょう。
「校閲」タブで修正を承諾または取り消す
修正の内容は、リボンの「校閲」タブの「承諾」と「元に戻す」で確定または取り消します。

修正の内容に問題がなければ、「承諾」の右にある下向きの矢印から「すべての変更を反映」を選んで確定します。変更履歴の記録も終了する場合は、「すべての変更を反映し、変更記録を停止」を選びます。
コメントで修正を指示する
Wordのコメントを付けてプロンプトを入力する
WordのCopilotは、文書に付いたWordのコメントを読み取って修正できます。今回は、報告書の「1. 報告の概要」の2つの段落にコメントを付けました。
- 第2段落:「合計と内訳が一致していない点を確認中である旨を、この段落の最後に追記してください。」
- 第3段落:「3つの重点施策を箇条書きにしてください。」
コメントを付けたあと、以下のプロンプトを入力して送信します。
この文書のコメントに対応してください。

修正の内容とコメントへの返信を確認する
約1分10秒で、2件のコメントへの対応が完了しました。第2段落の最後には「なお、売上合計と地域別・商品別内訳が一致していない点は確認中である。」という文が追記され、第3段落の重点施策は3項目の箇条書きに修正されました。変更履歴がオンのままだったため、どちらの修正内容も変更履歴に記録されています。

それぞれのコメントには修正した内容が返信され、コメントは解決済みになりました。解決済みのコメントを確認するには、段落の右に表示されるコメントのアイコンをクリックします。「スレッドを再度開く」を選ぶと、解決済みのコメントを再び開くことができます。
本文の一部を選択してCopilotで修正する
本文の一部だけを修正する場合は、修正したい段落を選択してCopilotを呼び出します。段落を選択すると、近くに「Copilot で編集」のボタンが表示されます。

ボタンをクリックすると入力欄が開き、「自動でリライトしてください」「構成を整えて、推敲してください」「短くしてください」の3つの候補が表示されます。入力欄に修正の内容を入力することもできます。

今回は「短くしてください」を選びました。右側のCopilotの画面にプロンプトが送信され、選択した段落だけが短い文章に修正されました。

修正の内容を確認して、問題がなければ「完了」をクリックします。文書の下部の「元に戻す」をクリックすると、修正前の文章に戻ります。
知っておきたい制限と注意点
- プランによって使える機能が異なる:Copilotを利用できるプランやライセンスが必要です。会社のアカウントでは、組織の設定で利用が制限されている場合があります
- アップロードしたファイルのコピーがOneDriveに送信される:パソコンからファイルをアップロードすると、OneDrive 職場/学校にコピーが送信されると案内されます。社外秘のファイルは、会社の取り扱いの規定を確認してからアップロードしましょう
- 同じ指示でも修正の記録方法が変わる:「変更した箇所がわかるように」と指示した時には、変更履歴として記録されませんでした。修正の内容を記録する場合は、プロンプトで変更履歴をオンにするように指示しましょう
- 数値と表記は会議メモと照合する:今回は数値がすべて一致しましたが、商品名の表記ゆれは指摘されませんでした。社外に提出する文書などは、会議メモなどの資料と照合してから使うようにしましょう
ほかのAIをWordで使う場合・ExcelやPowerPointでCopilotを使う場合
Wordの公式アドインを使う手順は、「ChatGPT for Wordの使い方|公式アドインの導入手順と会議メモから報告書を作成」「Claude for Wordの使い方|アドインの導入手順 会議メモから報告書を作成→変更履歴から修正」で解説しています。ExcelやPowerPointのCopilotの使い方は、「ExcelのCopilot 使い方とできること」「PowerPointのCopilotの使い方|売上データと会議メモから会議資料を作成する手順」で解説しています。Googleドキュメント内のGeminiで同じ素材から報告書を作成する手順は「Googleドキュメント内のGeminiの使い方|会議メモから報告書を作成→提案から修正」で解説しています。
WordのCopilotで画面右下のアイコンからCopilotを起動し、会議メモのファイルを添付して報告書を作成できました。プロンプトで指示すると、修正の内容を変更履歴に記録し、Wordのコメントに対応して返信することもできます。
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