※この記事の内容は2026年10月29日時点のものです。画面や機能は変更される場合があります。
会議メモをもとに社内向けの報告書を作成する作業は、内容の整理や数値の転記に時間がかかります。報告書のひな形が決まっていても、会議メモの順番どおりには書けないため、見出しごとに情報を探し直すことになります。
OpenAIが提供する公式のWordアドイン「ChatGPT for Word」を使うと、Wordの画面の右側にChatGPTのサイドバーを開き、開いている文書を対象に作成や修正を指示できます。この記事では、アドインの使い方と、約4,800字の会議メモを添付して社内報告書を作成した結果、作成した報告書の一部を修正するまでの流れを、実際の画面をご覧いただきながら解説します。
ChatGPT for Wordとは
ChatGPT for Wordは、OpenAIが提供する公式のWordアドインです。2026年9月に提供が始まり、無料版を含むChatGPTのすべてのプランで利用できます。OpenAIのヘルプでは、主に次のような使い方が紹介されています。
- 開いている文書の内容について質問する
- 選択した文章を修正する
- メモなどをもとに文書の下書きを作成する
ExcelやPowerPointの「ChatGPT」と同じアドインのため、ExcelやPowerPointですでに追加している場合は、Wordのリボンにも「ChatGPT」のボタンが表示されます。なお、アドインでの会話は、通常のChatGPTの会話の履歴とは別に保存され、ChatGPTのメモリやスキルは引き継がれません。
ChatGPT for Wordを開く手順
アドインを追加すると、Wordのリボン「ホーム」の右端に「ChatGPT」のボタンが表示されます。ボタンをクリックすると、画面の右側にサイドバーが開きます。初めて使うときは、ChatGPTのアカウントでサインインします。

サイドバーの「プロンプト候補」には、開いている文書の内容に合わせた候補が表示されます。今回は報告書のひな形を開いていたため、「社内報告書の初稿を作成」「拠点別の状況を報告文にする」「経営層向けの報告書に仕上げる」などの候補が表示されていました。
アドインをまだ追加していない場合は、リボン「ホーム」の「アドイン」から「ChatGPT」を検索して追加します。似た名称の非公式アドインがありますので、Excel版の「ChatGPTをExcelで使う方法|公式アドインの導入手順と同名の非公式アドインとの見分け方」を見て公式アドインを選ぶようにしてください。
会議メモから報告書を作成した結果
今回使った素材
今回は、架空の会社の「10月 月次営業会議」の議事メモ(約4,800字)と、社内報告書のひな形を使いました。議事メモには、9月の売上実績、拠点ごとの状況と課題、問い合わせの対応状況、下期の重点施策と質疑、展示会の準備、決定事項、宿題(担当と期限)が記載されています。

報告書のひな形には、件名・報告日・報告者・宛先の表と、「1. 報告の概要」から「6. 確認が必要な事項」までの6つの見出し、グレーの文字の記入案内を入れています。

このデータには、あえて誤りを4種類含めてあります。
- 9月の売上金額の合計(5,120万円)が、地域別・商品別の内訳の合計(4,840万円)と一致しない
- 展示会の出展日が、議事メモの2か所で異なる(11月12日・13日と、11月19日・20日)
- 次回の会議の日付と曜日が一致しない(2026年11月4日は水曜日だが「火曜日」と記載)
- 取引先名と商品名の表記ゆれ(「株式会社ベータ産業」「(株)ベータ産業」「ベータ産業株式会社」、「研修パック」「研修パッケージ」)
会議メモのファイルを添付してプロンプトを入力する
報告書のひな形を開いた状態で、サイドバーの入力欄の左にある「+」をクリックすると、「ファイルをアップロード」「スキル」「アプリ」「カスタム指示」のメニューが表示されます。「ファイルをアップロード」を選び、会議メモのファイルを選択しました。

添付したファイルが入力欄の上に表示されたことを確認し、以下のプロンプトを入力して送信します。
この会議メモをもとに、ひな形の見出しに沿って社内向けの報告書を作成してください。数値と日付は会議メモのとおりに記載してください。最後に、会議メモの中で矛盾している点や確認が必要な点があれば指摘してください。

作業中の画面
プロンプトを送信すると、サイドバーに作業の工程が順に表示され、ひな形の表と見出しの下に文章が書き込まれていきます。

作業の後半では、「不要な括弧を削除中」「不要な段落を削除中」という工程が十数回続き、ここに時間がかかっていました。プロンプトの送信から完成までの所要時間は約7分20秒でした。
完成した報告書
完成すると、サイドバーに作成した報告書の説明が表示されます。「小見出しとWordの箇条書きを使用して全4ページに整形」「会議メモ記載の数値・日付を維持」「矛盾・確認事項を『6. 確認が必要な事項』に記載」と説明されていました。

報告書の冒頭の表には、件名「10月 月次営業会議 報告書」、報告日、報告者、宛先が記入され、ひな形の6つの見出しの下に、「売上概要」「地域別売上金額」「東京」「大阪」「決定事項」などの小見出しが追加されていました。

売上金額、拠点別・商品別の金額、問い合わせの件数と内訳、主な受注案件の合計などの数値は、いずれも会議メモと一致していました。
一方で、ひな形のグレーの記入案内を置き換えた段落は、文字がグレーのまま残っていました。上の画面の「1. 報告の概要」のフォントカラーがグレーになっているのはそのためです。ひな形に書式が設定されている場合は、完成後に確認しましょう。
会議メモの誤りの指摘
報告書の最後の「6. 確認が必要な事項」には、会議メモの矛盾が箇条書きでまとめられていました。

元の会議メモに紛れさせておいた4つの誤った内容は、いずれも指摘されていました。売上金額の合計の不一致(280万円の差)、展示会の日程の不一致、次回の会議の曜日の誤り、取引先名の表記ゆれです。ただし、表記ゆれのうち商品名の「研修パック」と「研修パッケージ」は指摘されず、報告書の本文でも「研修パッケージの価格表」とそのまま記載されていました。
それとは別に、展示会の来場者アンケートについて、質疑では「タブレットで入力できるアンケートを用意する」とある一方で、準備物には「アンケート用紙」と記載されている食い違いも指摘されていました。
作成した報告書の一部を修正する
続けて以下のプロンプトを入力し、「5. 今後の対応」を修正しました。
報告書の「今後の対応」を、担当者と期限がわかる箇条書きに修正してください。変更した箇所がわかるようにしてください。

プロンプトの送信から約1分で修正が完了し、サイドバーの下部に「ドキュメントを更新しました」と「元に戻す」が表示されました。「5. 今後の対応」は、「対応事項(担当・期限)」5件と「個別タスク(担当・期限)」6件に分けられ、各項目が「対応内容:〜/担当:〜/期限:〜」の形式にそろえられていました。

変更した箇所は、Wordの変更履歴ではなく、黄色の蛍光ペンで表示されていました。変更前の文章が残らないので、修正前の内容と見比べたい場合は、修正を指示する前に文書を複製しておくと安心です。修正の内容に問題がある場合は、サイドバーの「元に戻す」で取り消せます。
知っておきたい制限と注意点
- 会社のアカウントでは管理者の許可が必要:OpenAIのヘルプによると、会社のMicrosoft 365では、管理者がアドインの導入を許可する必要があります。ChatGPTのBusinessやEnterpriseのプランでは、ChatGPTの管理者の設定でも利用の可否を切り替えられます
- 会話の履歴は通常のChatGPTとは別:アドインでの会話は、通常のChatGPTの会話の履歴には表示されません。ChatGPTのメモリやスキルも引き継がれません
- 長い文書の作成には時間がかかることがある:今回は、約4,800字の会議メモから4ページの報告書を作成するまでに約7分20秒かかりました
- 数値と表記は元の資料と照合する:今回は元データと出力された文面での数値がすべて一致しましたが、商品名の表記ゆれは指摘されませんでした。社外に提出する文書などは、元の資料と照合してから使いましょう
ExcelやPowerPointでChatGPTを使う場合
この記事で解説したWordのアドインは、ExcelやPowerPointでも同様に利用できます。Excelでの使い方は「ChatGPTをExcelで使う方法|公式アドインの導入手順と同名の非公式アドインとの見分け方」、PowerPointでの使い方は「ChatGPT for PowerPointの使い方|公式アドインの導入手順と会議資料を作成した結果」で解説しています。Claudeの公式アドインをWordで使う手順は「Claude for Wordの使い方|アドインの導入手順 会議メモから報告書を作成→変更履歴から修正」で解説しています。Wordに組み込まれたCopilotで報告書を作成する手順は「Word内のCopilotの使い方|会議メモから報告書を作成→変更履歴から修正」で解説しています。Googleドキュメント内のGeminiで同じ素材から報告書を作成する手順は「Googleドキュメント内のGeminiの使い方|会議メモから報告書を作成→提案から修正」で解説しています。
ChatGPT for Wordでは、会議メモのファイルを添付するだけで、報告書のひな形に沿った文書を作成し、会議メモの矛盾の確認までを進められました。一方で、ひな形の文字の色が残る、変更履歴が残らないといった少し不便な点もあるため、完成した文書の書式と内容を確認してから使いましょう。
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