研修で地方にうかがうと、生成AI(文章や画像を作れるAI。ChatGPTなどが代表例です)をまだ使ったことがない方が少なくありません。一方で、東京で同じ話をすると、参加者のほぼ全員がAIエージェント(指示を受けて、自分で手順を考えて作業を進めてくれるAI)まで使いこなしているような印象を受けます。実際のところ、日本でどれくらいの人が生成AIを使っているのか。正確な状況を私自身も把握しておきたいと考え、データを調べて整理しました。
この記事では、日本と世界の生成AIの利用率・普及率・利用者数を、総務省の情報通信白書をはじめとする一次資料(調査を実施した機関が自ら公表している資料)のデータに限定してまとめています。あわせて、調査によって数字が大きく違う理由と、資料に引用するときの使い分け方も解説します。社内での説明資料や研修資料に、出典つきでそのままお使いいただける内容です。
最終更新日:2026年7月20日(新しい調査が公表され次第、数値を更新します)
日本と世界の生成AI利用状況まとめ(早見表)
まず、主要な調査の結果を一覧にまとめます。
| 項目 | 数値 | 出典・調査時期 |
|---|---|---|
| 個人の利用経験(日本) | 26.7% | 総務省・令和7年版情報通信白書(2024年度調査) |
| 個人の利用経験(国際比較) | 中国81.2%/米国68.8%/ドイツ59.2% | 同上 |
| 個人の利用率(日本・直近1年) | 54.7% | ICT総研(2026年2月調査、ネットユーザー対象) |
| 個人の利用率(日本・15〜69歳) | 51% | NTTドコモ モバイル社会研究所(2026年4月公表) |
| 日本の利用者数(推計) | 3,553万人(2026年末) | ICT総研 |
| 生成AI活用方針を定めた企業(日本) | 49.7% | 総務省・令和7年版情報通信白書(2024年度調査) |
| 業務で活用している企業(日本) | 34.5% | 帝国データバンク(2026年3月調査) |
| ChatGPTの利用者数(世界) | 週間9億人超 | OpenAI(2026年2月発表) |

ひとことでまとめると、日本の個人利用はこの1年で「4人に1人」から「2人に1人」へ倍増したものの、世界の主要国とはまだ差がある、というのが2026年時点の状況です。以下、それぞれの数字を出典つきで見ていきます。
日本の生成AI利用率(個人)
総務省の情報通信白書では26.7%(前年の約3倍)
総務省が2025年7月に公表した「令和7年版 情報通信白書」によると、日本で生成AIサービスを「使っている(過去使ったことがある)」と答えた人は26.7%でした。2023年度調査の9.1%から、1年で約3倍に増えています。
出典:総務省「令和7年版 情報通信白書」個人におけるAI利用の現状
2026年の民間調査では5割超え
白書の調査(2024年度実施)から約1年が経った2026年の民間調査では、利用率はさらに上がっています。
- ICT総研の調査(2026年2月実施):インターネットユーザーの54.7%が直近1年以内に生成AIを利用。前回調査の29.0%から25.7ポイント増
- NTTドコモ モバイル社会研究所の調査(2026年4月公表):15〜69歳の51%が生成AIを利用。前回の27%からほぼ倍増。内訳では、プライベートでの利用が46%、仕事・学業での利用が38%
出典:ICT総研「2026年2月 生成AIサービス利用動向に関する調査」
出典:NTTドコモ モバイル社会研究所「生成AI利用率、過半数に。1年で急増」
年代別では20代が44.7%で最多
白書の年代別データ(2024年度調査)では、次のようになっています。
| 年代 | 利用経験率 |
|---|---|
| 20歳〜29歳 | 44.7% |
| 30歳〜39歳 | 23.8% |
| 40歳〜49歳 | 29.6% |
| 50歳〜59歳 | 19.9% |
| 60歳〜69歳 | 15.5% |

20代が突出して高い一方、意外なことに30代(23.8%)より40代(29.6%)のほうが高くなっています。管理職世代が業務で使い始めていることのあらわれと読むことができます。
使わない理由は「必要ない」「使い方がわからない」
白書では、生成AIを利用しない理由として「生活や業務に必要ない」「使い方がわからない」が上位に挙がっています。機能や性能への不満ではなく、必要性を感じる機会と、使い方を学ぶ機会がないことが普及の壁になっている状況です。この2つは、研修や社内勉強会で解消できる種類の課題です。
日本の生成AIの利用者数はどれくらいか
「利用率」ではなく「人数」で見ると、ICT総研の推計で、日本の生成AIサービス利用者数は2026年末時点で3,553万人とされています。日本の人口のおよそ3〜4人に1人に相当する規模です。同調査では今後も増加が続き、2029年末には5,160万人に達すると予測されています(2027年末4,097万人、2028年末4,633万人)。
利用しているサービス別では、ChatGPTが36.2%で最も多く、Gemini(25.0%)、Copilot(13.3%)と続きます。
出典:ICT総研「2026年2月 生成AIサービス利用動向に関する調査」
企業の生成AI利用率・導入率
企業側のデータは、調査によって数字の開きが大きい領域です。主要な3つの調査を並べます。
- 総務省・情報通信白書(2024年度調査):生成AIを活用する方針を定めている企業は49.7%(積極的に活用23.7%+領域を限定して利用26.0%)。大企業では約56%、中小企業では約34%
- 帝国データバンク(2026年3月調査、有効回答1万312社):生成AIを業務で「活用している」企業は34.5%。規模別では大企業46.5%、中小企業32.4%、小規模企業28.0%。従業員1,000人超の企業では63.6%に達する一方、5人以下では29.6%
- PwC「生成AIに関する実態調査2026春」(2026年2月調査、932名):日本企業の生成AIの活用・推進度は87%。ただし「期待を大きく上回る効果を出している」企業の割合は比較6カ国中最下位
出典:総務省「令和7年版 情報通信白書」企業におけるAI利用の現状
出典:帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」
出典:PwC「生成AIに関する実態調査2026 春 6カ国比較」
数字がバラバラに見えますが、これは調査対象と「活用」の定義の違いによるものです(理由は後述します)。共通しているのは、企業規模による差が非常に大きいことです。大企業と小規模企業では、導入率に2倍前後の開きがあります。
活用の中身は、帝国データバンクの調査では「文章作成・要約・校正」(45.1%)が最も多く、「情報収集」(21.8%)、「企画立案時のアイデア出し」(11.0%)と続きます。
世界の生成AI利用率・利用者数
国際比較:日本は主要国の中で最下位圏
情報通信白書の国際比較(2024年度調査)では、個人の生成AI利用経験は次のとおりです。
| 国 | 2024年度 | 2023年度 |
|---|---|---|
| 中国 | 81.2% | 56.3% |
| 米国 | 68.8% | 46.3% |
| ドイツ | 59.2% | 34.6% |
| 日本 | 26.7% | 9.1% |

日本は約3倍という伸び率では他国に見劣りしませんが、水準ではまだ大きな差があります。企業についても、生成AIの活用方針を定めている比率は中国92.8%、米国84.8%、ドイツ76.4%に対して日本は49.7%と、同じ傾向です。
ChatGPTの利用者数は週間9億人超
世界で最も使われている生成AIサービスであるChatGPTは、OpenAIの発表(2026年2月27日)で週間アクティブユーザー(1週間に1回以上使う人)が9億人を突破しました。2026年6月の日本経済新聞の報道では月間利用者は11億人に達し、成長ペースは緩やかになりつつあるものの、日本の利用者は増加が続いていると伝えられています。
出典:すまほん!!「ChatGPT、週間ユーザー9億人突破」
出典:日本経済新聞「ChatGPTの利用者11億人で成長鈍化 日本は増加、欧州で減少」
ChatGPT・Gemini・Copilot・Claudeなど主要ツール別の利用者数とシェアは、別記事「ChatGPT・Gemini・Copilot・Claudeの利用者数比較【2026年最新】世界と日本のシェア」で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
AIエージェントの活用状況(これからの領域)
AIエージェントとは、指示を受けると自分で手順を考えてタスクを実行するAIのことです。たとえば「この製品の市場を調べて」と頼むと、資料を探し、読み、要約までを一続きでこなします。チャットで一問一答するこれまでの生成AIから、一歩進んだ段階です。
AIエージェントは普及が始まったばかりで、利用率の統計はまだほとんどありません。現時点で参照できるのは市場予測です。
- IDC Japanの予測(2026年3月発表):国内AI市場は2025年の2兆3,725億円から2029年には6兆8,897億円へと約2.9倍に成長する見通し(年平均成長率36.0%)。IDCは「2026年はAIエージェントの実ビジネス適用の元年になる」と予測しています
利用率のデータが揃うのはこれからですが、市場としてはすでに急拡大が始まっている段階です。本記事では、統計が公表され次第この章を拡充していきます。
調査によって数字が大きく違うのはなぜか
ここまで読んで「26.7%と54.7%、どちらが本当なのか」と疑問に思われたかもしれません。数字が違うのには、明確な理由があります。
- 調査時期の違い:白書の26.7%は2024年度の調査、ICT総研の54.7%は2026年2月の調査です。利用率が1年で倍増している時期なので、調査が1年ずれると数字も大きく変わります
- 調査対象の違い:白書は幅広い国民を対象にしていますが、ICT総研はインターネットユーザー、モバイル社会研究所は15〜69歳が対象です。対象を広げるほど数字は低く、範囲を限定するほど数字は高く出ます
- 「利用」の定義の違い:「過去に一度でも使ったことがある」のか「直近1年で使った」のか、企業なら「方針を定めている」のか「業務で日常的に活用している」のかで、同じ実態でも数字は変わります
引用するときの使い分けの目安は次のとおりです。
- 官公庁向けの資料や公的な文書→総務省の情報通信白書(公的統計で、国際比較・年次比較ができます)
- 社内での説得材料や企画書→ICT総研・モバイル社会研究所などの最新の民間調査(直近の実態に近い数字です)
- 自社の立ち位置の確認→帝国データバンクの企業規模別・業種別データ(自社と近い規模・業種と比べられます)
なお、この記事は、私自身が研修や講演で「いま日本でどれくらい使われているのか」を正確に伝えるためのデータ集として使えることも目的として作成しました。冒頭に書いたとおり、地方と東京では肌感覚がまったく違います。だからこそ、印象ではなく出典つきの数字で現在地を確認することに意味があると考えています。
日本の生成AIの利用率は、個人利用では1年で倍増して5割前後に達した一方、世界の主要国とはまだ差があり、企業では規模による格差が広がっています。利用しない理由の上位が「必要性を感じない」「使い方がわからない」であることを踏まえると、数字の次に必要なのは使い方を学ぶ機会です。株式会社ウェブタイガーでは、企業向けの生成AI活用研修を実施しています。詳細は研修・セミナーのご案内ページをご覧ください。
