研修で地方に伺うと、生成AIをまだ使ったことがない方が少なくありません。一方で、東京で同じ話をすると、参加者のほぼ全員がAIエージェント(指示を受けて、自分で手順を考えて作業を進めてくれるAI)まで使いこなしているような印象を受けます。実際のところ日本でどれくらいの人が生成AIを使っているのか。正確な状況を私自身も把握しておきたいと考え、データを調べて整理しました。
この記事では、日本と世界の生成AIの利用率・普及率・利用者数を、総務省の情報通信白書をはじめとする一次資料(調査を実施した機関が自ら公表している資料)のデータに限定してまとめています。あわせて、調査によって数字が大きく違う理由と、資料に引用するときの使い分け方も解説します。社内での説明資料や研修資料に、出典つきでそのままお使いいただける内容です。
最終更新日:2026年7月31日(2026年7月24日公表の「令和8年版 情報通信白書」の数値に更新しました。今後も新しい調査が公表され次第、数値を更新します)
日本と世界の生成AI利用状況まとめ(早見表)
まず、主要な調査の結果を一覧にまとめます。
| 項目 | 数値 | 出典・調査時期 |
|---|---|---|
| 個人の利用経験(日本) | 58.8% | 総務省・令和8年版情報通信白書(2025年度調査) |
| 個人の利用経験(国際比較) | 中国93.6%/米国75.6%/ドイツ75.6% | 同上 |
| 個人の利用率(日本・直近1年) | 54.7% | ICT総研(2026年2月調査、ネットユーザー対象) |
| 個人の利用率(日本・15〜69歳) | 51% | NTTドコモ モバイル社会研究所(2026年4月公表) |
| 日本の利用者数(推計) | 3,553万人(2026年末) | ICT総研 |
| 生成AI活用方針を定めた企業(日本) | 68.9% | 総務省・令和8年版情報通信白書(2025年度調査) |
| 業務で生成AIを利用している企業(日本) | 86.4% | 同上(従業員10名以上・デジタル化に着手済みの企業が対象) |
| 業務で活用している企業(日本) | 34.5% | 帝国データバンク(2026年3月調査) |
| ChatGPTの利用者数(世界) | 週間9億人超 | OpenAI(2026年2月発表) |

ひとことでまとめると、日本の個人利用はこの1年で「4人に1人」から「6割近く」へ倍増したものの、世界の主要国とはまだ差がある、というのが2026年時点の状況です。以下、それぞれの数字を出典つきで見ていきます。
日本の生成AI利用率(個人)
総務省の情報通信白書では58.8%(前年調査の2倍以上)
総務省が2026年7月24日に公表した「令和8年版 情報通信白書」によると、日本で生成AIサービスを「使っている(過去使ったことがある)」と答えた人は58.8%でした(2025年度調査。実施は2026年1〜2月)。2024年度調査の26.7%、2023年度調査の9.1%から、2年連続で倍増を超えるペースで増えています。
なお、2025年度調査からは対象に15〜19歳が加わりました(それまでは20歳以上)。利用率の高い10代が加わった影響を除いた20歳以上に限った利用率は52.2%で、いずれにしても「2人に1人以上」に達しています。
2026年の民間調査でも5割超えで一致
2026年に実施された民間調査でも、利用率は5割台で白書とほぼ一致しています。
- ICT総研の調査(2026年2月実施):インターネットユーザーの54.7%が直近1年以内に生成AIを利用。前回調査の29.0%から25.7ポイント増
- NTTドコモ モバイル社会研究所の調査(2026年4月公表):15〜69歳の51%が生成AIを利用。前回の27%からほぼ倍増。内訳では、プライベートでの利用が46%、仕事・学業での利用が38%
出典:ICT総研「2026年2月 生成AIサービス利用動向に関する調査」
出典:NTTドコモ モバイル社会研究所「生成AI利用率、過半数に。1年で急増」
年代別では15〜19歳が91.7%で最多
白書の年代別データ(2025年度調査)では、次のようになっています。
| 年代 | 利用経験率 |
|---|---|
| 15歳〜19歳 | 91.7% |
| 20歳〜29歳 | 78.2% |
| 30歳〜39歳 | 56.3% |
| 40歳〜49歳 | 49.0% |
| 50歳〜59歳 | 44.2% |
| 60歳〜69歳 | 33.5% |

若い年代ほど高い、きれいな階段状の分布です。15〜19歳では9割超と、この世代にとって生成AIはすでに「当たり前の道具」になっています。一方で、注目したいのは50代(44.2%)・60代(33.5%)です。前年調査ではそれぞれ19.9%・15.5%でしたから、管理職世代・経営層世代でも1年で利用経験が倍増しています。
使わない理由は「必要ない」「使い方がわからない」
白書では、テキスト生成AIサービスを利用しない理由として「自分の生活や業務に必要ない」(42.4%)、「使い方がわからない」(38.8%)が上位に挙がっています。しかも「使い方がわからない」と答えた割合は、調査対象4か国(日本・米国・ドイツ・中国)の中で日本が最も高い結果でした。機能や性能への不満ではなく、必要性を感じる機会と、使い方を学ぶ機会がないことが普及の壁になっている状況です。この2つは、研修や社内勉強会で解消できる種類の課題です。
日本の生成AIの利用者数はどれくらいか
「利用率」ではなく「人数」で見ると、ICT総研の推計で、日本の生成AIサービス利用者数は2026年末時点で3,553万人とされています。日本の人口のおよそ3〜4人に1人に相当する規模です。同調査では今後も増加が続き、2029年末には5,160万人に達すると予測されています(2027年末4,097万人、2028年末4,633万人)。
利用しているサービス別では、ChatGPTが36.2%で最も多く、Gemini(25.0%)、Copilot(13.3%)と続きます。
出典:ICT総研「2026年2月 生成AIサービス利用動向に関する調査」
企業の生成AI利用率・導入率
企業側のデータは、調査によって数字の開きが大きい領域です。主要な3つの調査を並べます。
- 総務省・情報通信白書(2025年度調査):生成AIを活用する方針を定めている企業は68.9%(積極的に活用30.1%+領域を限定して利用38.8%)で、2024年度調査の49.7%から大きく上昇。また、何らかの業務で生成AIを利用している企業は86.4%(2024年度調査は55.2%)。業務の種類別では「議事録・メール作成補助」での活用が最も多く、導入効果を実感する割合も約7割と最も高くなっています(※この調査の対象は、従業員10名以上で2025年までにデジタル化の取組を開始した企業の管理職です。そのため数字は高めに出る傾向があります)
- 帝国データバンク(2026年3月調査、有効回答1万312社):生成AIを業務で「活用している」企業は34.5%。規模別では大企業46.5%、中小企業32.4%、小規模企業28.0%。従業員1,000人超の企業では63.6%に達する一方、5人以下では29.6%
- PwC「生成AIに関する実態調査2026春」(2026年2月調査、932名):日本企業の生成AIの活用・推進度は87%。ただし「期待を大きく上回る効果を出している」企業の割合は比較6カ国中最下位
出典:帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」
出典:PwC「生成AIに関する実態調査2026 春 6カ国比較」
数字がバラバラに見えますが、これは調査対象と「活用」の定義の違いによるものです(理由は後述します)。共通しているのは、企業規模による差が非常に大きいことです。大企業と小規模企業では、導入率に2倍前後の開きがあります。
活用の中身は、帝国データバンクの調査では「文章作成・要約・校正」(45.1%)が最も多く、「情報収集」(21.8%)、「企画立案時のアイデア出し」(11.0%)と続きます。
なお、自治体(都道府県・市区町村)の導入状況は、別記事「自治体の生成AI導入状況【2026年最新】総務省調査でみる活用事例と課題」で解説しています。都道府県・指定都市では、導入率がすでに100%に達しています。
世界の生成AI利用率・利用者数
国際比較:日本は主要国の中で最下位圏
情報通信白書の国際比較(2025年度調査)では、個人の生成AI利用経験は次のとおりです。
| 国 | 2025年度 | 2024年度 |
|---|---|---|
| 中国 | 93.6% | 81.2% |
| 米国 | 75.6% | 68.8% |
| ドイツ | 75.6% | 59.2% |
| 日本 | 58.8% | 26.7% |

日本は前年から32.1ポイント増と、伸び幅では4か国中最大です。それでも水準では依然として最下位で、米国・ドイツとは約17ポイント、中国とは約35ポイントの差があります。企業についても、生成AIの活用方針を定めている比率は中国95.4%、米国82.8%、ドイツ82.2%に対して日本は68.9%と、同じ傾向です。
ChatGPTの利用者数は週間9億人超
世界で最も使われている生成AIサービスであるChatGPTは、OpenAIの発表(2026年2月27日)で週間アクティブユーザーが9億人を突破しました。2026年6月の日本経済新聞の報道では月間利用者は11億人に達し、成長ペースは緩やかになりつつあるものの、日本の利用者は増加が続いていると伝えられています。
出典:すまほん!!「ChatGPT、週間ユーザー9億人突破」
出典:日本経済新聞「ChatGPTの利用者11億人で成長鈍化 日本は増加、欧州で減少」
ChatGPT・Gemini・Copilot・Claudeなど主要ツール別の利用者数とシェアは、別記事「ChatGPT・Gemini・Copilot・Claudeの利用者数比較【2026年最新】世界と日本のシェア」で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
AIエージェントの活用状況
AIエージェントとは、指示を受けると自分で手順を考えてタスクを実行するAIのことです。たとえば「この製品の市場を調べて」と頼むと、資料を探し、読み、要約までを一続きでこなします。チャットで一問一答するこれまでの生成AIから一歩進んだ段階です。
AIエージェントは普及が始まったばかりで、利用率の統計はまだほとんどありません。現時点で参照できるのは市場予測です。
- IDC Japanの予測(2026年3月発表):国内AI市場は2025年の2兆3,725億円から2029年には6兆8,897億円へと約2.9倍に成長する見通し(年平均成長率36.0%)。IDCは「2026年はAIエージェントの実ビジネス適用の元年になる」と予測しています
利用率のデータが揃うのはこれからですが、市場としてはすでに急拡大が始まっている段階です。本記事では、統計が公表され次第この章を拡充していきます。
調査によって数字が大きく違うのはなぜか
ここまで読んで「企業の利用率は86.4%と34.5%、どちらが本当なのか」と疑問に思われたかもしれません。数字が違うのには、明確な理由があります。
- 調査時期の違い:利用率が1年で倍増している時期なので、調査が1年ずれると数字も大きく変わります。白書の個人利用率が26.7%(2024年度調査)から58.8%(2025年度調査)へ跳ね上がったのが典型例です
- 調査対象の違い:白書の個人調査は幅広い国民を対象にしていますが、ICT総研はインターネットユーザー、モバイル社会研究所は15〜69歳が対象です。企業側はさらに差が大きく、白書の企業調査(86.4%)は「従業員10名以上でデジタル化に着手済みの企業の管理職」が対象なのに対し、帝国データバンク(34.5%)は小規模企業を含む1万社超が対象です。対象を広げるほど数字は小さく、範囲を限定するほど数字は大きくなる傾向にあります
- 「利用」の定義の違い:「過去に一度でも使ったことがある」のか「直近1年で使った」のか、企業なら「方針を定めている」のか「業務で日常的に活用している」のかで、同じ実態でも数字は変わります
引用するときの使い分けの目安は次のとおりです。
- 官公庁向けの資料や公的な文書→総務省の情報通信白書(公的統計で、国際比較・年次比較ができます)
- 社内での説得材料や企画書→ICT総研・モバイル社会研究所などの最新の民間調査(直近の実態に近い数字です)
- 自社の立ち位置の確認→帝国データバンクの企業規模別・業種別データ(自社と近い規模・業種と比べられます)
なお、この記事は私自身が研修や講演で「いま日本でどれくらい使われているのか」を正確に伝えるためのデータ集として使えることも目的として作成しました。冒頭に書いたとおり、地方と東京では肌感覚がまったく違います。だからこそ、印象ではなく出典つきの数字で現状を確認することに意味があると考えています。
※企業側のデータは「企業の生成AI導入率まとめ【2026年最新】規模別の割合・課題を調査データで解説」にまとめています。
日本の生成AIの利用率は、個人利用では1年で倍増して6割近くに達した一方、世界の主要国とはまだ差があり、企業では規模による格差が広がっています。
個人の利用率が6割に近づいたということは、取引先や同業他社にも「使っている側」が増えつつあるということでもあります。一方で、使わない理由の上位は今も「使い方がわからない」です。数字を見て「自社はまだこれからだ」と感じた方向けに、株式会社ウェブタイガーでは企業向け生成AI研修のカリキュラム例を公開しています。自社の状況に合わせた進め方のご相談はお問い合わせからお寄せください。
