商談前の企業リサーチは、丁寧にやろうとすると1社あたり数時間あるいは数日かかります。訪問件数が多い営業担当者ほど時間を確保できず、結局訪問企業のウェブサイトを数分眺めただけで商談に臨む、というケースもあるのではないでしょうか。
ChatGPTを使うと、「企業の下調べ→想定課題の整理→質問リストの作成」という商談準備の一連の作業を、15〜30分程度まで短縮できます。企業研修で営業職向けに企業リサーチの演習を行うと、受講者が一番驚くのは、調査がこれまでよりも飛躍的に簡単になることです。
この記事では、実際のプロンプト(AIへの指示文)を使いながら、その手順を順番に紹介します。
手順1:商談相手の企業をChatGPTで下調べする
まず、商談相手の企業の基本情報を整理させます。ChatGPTの検索機能(ウェブ検索を使う設定)をオンにして、次のように入力します。
<相手先企業 企業サイトのURL>について、営業担当者が初回商談前に把握しておくべき情報を整理してください。
・事業内容と主力商品/サービス
・直近1年の主なニュース(プレスリリース・新事業など)
・業界内での立ち位置と競合
出典のURLも併記してください。

ポイントは、会社名だけでなく公式サイトのURLを併記することと、出典URLを求めることです。同名の別会社と取り違える事故を防ぎ、後の事実確認もしやすくなります。
なお、プロンプトには商談相手の担当者名などの個人情報や自社の機密情報を入力しないでください。企業の公開情報だけで、商談準備には十分な材料が集まります。
手順2:想定される課題と質問リストを作る
下調べの結果を踏まえて、同じ会話の続きで商談の中身を組み立てます。
この会社が抱えていそうな業務上の課題を、当社のサービス(サービス内容を記入)と関連しそうな順に5つ挙げてください。
それぞれの課題について、初回商談で確認すべき質問を1つずつ作ってください。

必ずしも出力された質問をそのまますべて読んで記憶する必要はありません。「この観点は聞いておきたい」という重要な要素を2〜3個選んで商談メモに転記すれば、初回商談で確認するべきことを準備できます。
手順3:出力の事実確認をする
ChatGPTの出力には、もっともらしい内容なのに誤っている情報(ハルシネーションと呼ばれます)が混在することがあります。研修でもよくある質問が「出力されたものをそのまま使ってもいいのか」というものです。受講者には、その商談で重要になる要素を中心に、必ず裏を取るように伝えています。
具体的には、次の2点を確認します。
- 商談の中心になる情報(相手の事業内容・直近の動き・提案の前提になる事実など)は、出典URLを開いて原文を確認する
- 出典が示されていない情報は勝手に断定せず、商談の場で質問して確かめる(ここから話題が広がることもあります)
商談で相手企業の話をするときに事実誤認があると、不信感を抱かせる原因となります。重要な要素から優先順位をつけて裏を取っておくことで、商談の質を落とさないとともに、準備の時間も抑えられます。
商談直前15分の準備テンプレート
実際の営業研修でよく出るのが「どこまで詳細に準備しておくべきか」という相談です。目安として、商談準備は次の型に落とし込めます。
| 時間 | やること |
|---|---|
| 10分 | 手順1〜2をChatGPTで実行し、出力を商談メモに転記する |
| 5分 | 商談で重要になる要素を中心に、出典を開いて裏を取る |
今回は商談準備にChatGPTを使う手順を紹介しました。下調べと質問リストの作成はAIに任せ、人間は「どの課題を商談のポイントにするか」の判断と事実確認に時間を使う、という分担を定着させましょう。この流れに沿って準備することで、事前の情報収集の質を落とさずに件数をこなせるようになります。
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