商談後のお礼メール、社内への報告、先方と約束した宿題の整理。どれも早いほうがよいと分かっていても、他のお客様の対応や別の業務に追われて着手できず、気づけば深夜になっていた。←できれば防ぎたい状況です。
生成AIを使うと、この「商談後にやること一式」を、商談中の走り書きメモを使って10分程度で片づけられるようになります。この記事では、商談メモの整理、お礼メールの作成、自分のためのネクストアクションリスト作成までを、プロンプト付きで紹介します。ChatGPT・Claude・Gemini・Copilotなど、どのAIツールでも応用できます。
準備:まず入力する情報を確認する
商談メモには顧客の固有名詞や金額が含まれます。生成AIに入力する前に、次のようなルールを決めておきます。
- 会社名・担当者名は「A社」「ご担当のBさま」のような記号に置き換える
- 金額や社外秘の条件は「見積金額」「先方の予算」のような言葉に置き換えるか、メモから外す
- 置き換えた固有名詞は、最後にメールへ差し込むときに自分で戻す
会社で生成AIの利用ルールが決まっている場合は、そちらが最優先です。ルールがまだない場合も「固有名詞と金額は入れない」とだけでも決めておくと安全です。
手順1:走り書きメモを整理する
商談中のメモは、自分だけが読めればよい走り書きで構いません。たとえば次のような状態です。

メモを生成AIに渡す3つの方法
メモの取り方によって、生成AIへの渡し方は3通りあります。
- PCやスマホのメモ帳アプリで取ったメモ:そのままコピーして、生成AIのチャット欄に貼り付けます。オンライン商談なら、画面の横にメモ帳を開いて走り書きしておくと、この方法が一番速いです
- 紙に書いた手書きメモ:スマホでメモを撮影し、その画像をチャットに添付して「画像のメモを読み取ってテキスト化してください」と指示します。ChatGPT・Claude・Gemini・Copilotは、いずれも画像の読み取りに対応しています。手書きの数字や日付は読み間違いが起こることがあるため、テキスト化された結果を確認してから次に進んでください
- ZoomやTeamsなどのオンライン会議ツールに残る議事録:オンライン商談なら、会議ツールの機能で文字起こしや議事録が自動で記録されている場合があります。その記録をコピーして貼り付ければ、走り書きメモの代わりになります(このあとのプロンプトの「走り書きメモ」を「商談の議事録」に置き換えてください)。固有名詞・金額の置き換えは、手元のメモ以上に丁寧に行ってください

メモがテキストになったら、次のように指示します。
以下は商談の走り書きメモです。次の4つに仕分けて整理してください。
・決まったこと
・こちらの宿題(期限があれば期限も)
・先方の宿題
・次回の予定
メモに書かれていないことは勝手に補わず、不明な点は「不明」と書いてください。
(ここにメモを貼り付け)

最後の一文「メモに書かれていないことは勝手に補わない」と記入しておくことがポイントです。生成AI自身は商談に同席していないため、指示しないと、それらしい内容を勝手に補って出力することがあります。
手順2:お礼メールに仕上げる
整理した内容を、そのままお礼メールの材料にします。続けて次のように指示します。
この整理結果をもとに、お礼メールの下書きを作成してください。
・構成:お礼→決まったことの確認→こちらの宿題と期限→先方へのお願い→次回日程の確認
・宿題は「誰が・いつまでに・何をするか」が分かる書き方にしてください
・400字以内。丁寧ですが、かしこまりすぎない文面にしてください

お礼メールに決定事項と宿題を書いておくと、単なる儀礼的なメールではなく「認識を合わせるための記録」にもなります。先方との認識のズレに気づけることにあわせて、あとから経緯を追うときにも役立ちます。
送信前の仕上げは人間の仕事です。置き換えていた会社名・担当者名を戻し、金額や期日がメモの原本と合っているかを確認してから先方に送信します。
すぐに詳しい返信ができないときは「一報」を出す
商談後に調べないと答えられない宿題(今回の例ではセキュリティシートの対応可否)があると、回答がそろうまでメール自体を保留しがちです。私の場合は詳細をすぐに返信できないときこそ、いま調査のどの段階か、いつまでに返信できるかを早めに先方に伝えるようにしています。お礼メールに「セキュリティシートの件は社内で確認中です。◯日までにご回答します」と1行入れるだけで先方に安心してもらえます。さらに自身でデッドラインを宣言したことで、確認した情報を忘れず調べて送信することもできます。
※手順2のプロンプトに「回答待ちの項目は、確認中である旨と回答予定日を入れてください」と条件を足しておくことで文面に反映されます。
手順3:自分用の次アクションリストにする
最後に、こちらの宿題を自分のタスク管理に移します。
こちらの宿題を、期限つきのチェックリストにしてください。1行1タスク、「期限:タスク内容」の形式で出力してください。

AIが出力した内容をタスク管理ツールやメモ帳に貼り付ければ、商談後の事務作業は一通り完了です。メモの整理からここまで、慣れれば10分かかりません。
そのまま使えるプロンプトの型
この記事で使ったプロンプトを、貼り付けて使える形でまとめます。
メモ整理用
以下は商談の走り書きメモです。「決まったこと」「こちらの宿題(期限つき)」「先方の宿題」「次回の予定」の4つに仕分けて整理してください。メモに書かれていないことは勝手に補わず、不明な点は「不明」と書いてください。
お礼メール用
この整理結果をもとに、お礼メールの下書きを作成してください。構成は、お礼→決まったことの確認→こちらの宿題と期限→先方へのお願い→次回日程の確認。宿題は「誰が・いつまでに・何をするか」が分かる書き方にし、回答待ちの項目は確認中である旨と回答予定日を入れてください。400字以内。
注意点:AIは商談に同席していない
繰り返しになりますが、生成AIが知っているのはあなたが貼り付けたメモの内容だけです。それでもAIが細部を勝手に補って出力することがあるため、金額・期日・約束事の重要事項3点は、必ずメモの原本やあなたの記憶と突き合わせてから送信してください。
よくある質問
Q1. 生成AIに何を聞いていいのか、そもそも分からないのですが。
研修で最も多い質問です。「AIに何ができるか」から考えると手が止まりやすいので、逆に「商談後にいつもやっている作業」を整理することをおすすめします。この記事のように、すでにやっている作業(メモ整理・お礼メール・タスク整理)をそのまま指示にすれば、特別な知識がなくても今日から活用できます。
Q2. 顧客の会社名や担当者名を入力しても大丈夫ですか。
原則、入力しないでください。この記事の手順でも「A社」「Bさま」のような置き換えで問題なく出力されるようにしています。ただしお勤め先で契約しているAIツールによっては、入力した内容が学習されないケースもあります。会社として生成AIの利用ルールがある場合はそちらに従ってください。
Q3. 商談の録音をそのまま文字起こしして使ってもいいですか。
録音には先方の発言が含まれるため、走り書きメモより慎重な扱いが必要です。録音する場合は先方の同意を取り、社内の利用ルールで扱いを決めたうえで使ってください。なお、この記事でお伝えしている手順は、録音データがなくても手元のメモだけで実行できます。
ここまで、商談後のフォローを生成AIに手伝ってもらう手順をお伝えしてきました。メモの仕分けとメールの下書きは生成AIに任せ、人間は事実の確認と、相手を待たせないことに集中する。このAIと人間との分担作業によって、商談後のフォローは「時間があるときにやる作業」から「商談直後の10分で終わる作業」に変わります。フォローの速さはそれだけで信頼につながります。そのための助手として生成AIを上手に使いこなしてください。
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